体調不良がある時に食欲が変化し食べるものが変わってくることもあります。私たちでも同じような経験があると思いますが、うさちゃんにも見られることは十分にあります。もともと食べていたペレットへの興味の示し方が変化してきているようですが、その代わりに牧草をよく食べてくれているようです。うさちゃんにとって牧草が中心となる食事内容はとても好ましいことではありますが、実際にペレットをどのぐらいの量を食べているのかを把握いただくことがよいと思います。大人うさぎで標準体重や適正体重に見合っている場合に朝夕合わせて１.５％の量を推奨されていて、近年のうさぎ事情ではかなり制限された量になっていますが、それぞれのうさちゃんに合わせて考えてあげる必要があります。体格や体調を見ながら、これまで与えていた量や現在実際に食べている量を振り返ることでも、どう変化しているのかが見えてくると思います。イネ科の牧草をいつでも食べられる環境にしてあげることも大変重要で、食事内容や糞の変化のほかに、体重の変化などが見られているのかということも観察いただきたいと思います。食の好みが変わることもあると思いますが、牧草を積極的に食べていることは、牧草を必要としている状態だからという解釈もあります。繊維質を取り込む必要があるという体からのサインによって、食事内容が変化してその結果、大きなよい糞が見られていることはとてもよい状況ともいえると思います。取り込むペレット量が極端に少ないという場合には、ペレット自体に問題がないかという確認に加えて、年齢や状況にあったより適したペレットを考えていただくこともできると思います。そして飲む水の量が減っているということですので、与えている状況などを再確認いただくことも大事です。こちらにいただくご質問では、牧草をたくさん食べるようになることで飲水量が増える傾向が多いようですので、今回は逆の状況ということですから、飲みにくい状況が生まれていないかという点を振り返ってみていただきたいと思います。生野菜も引き続き食べているような場合は、そちらから水分を取り込んでいることも考えられますが、排泄される尿の色や量なども観察いただいて、気になる点がある時にはかかりつけの獣医師にご相談いただくほうが安心できると思います。