うさちゃんが飼い主さんの手などを噛んでくる場合、その時の状況によって言葉の意味が違ってきます。噛み方にも甘噛みの時とそうでない時がありますので、どんな気持ちを伝えようとしているのか、周囲の状況やこれまで見られていた行動などから探っていただきます。
ケージから顔を出してくることは、何かを要求しているといえますので、撫でてもらいたいということだけではなく、おやつが欲しい、外に出してほしいという表現の可能性もあるのではないでしょうか。撫でてあげることでそれを受け入れて気持ちよさそうにしている様子から、指を鼻先で押す様子です。これまでこちらにいただいたたくさんの質問を参考にすると、撫でてもらう場所が違うという主張や、撫でてもらいたいわけではないということも考えられるかもしれません。うさちゃんの過ごし方として、帰宅後にケージから放してあげる、もしくは、それまでケージから出て過ごしていたなどのことがあれば、ケージ越しではないコミュニケーションを要求していることも予測できるようです。噛むことの背景にどんな状況があるのかを再確認していただきながら、うさちゃんの言葉を探っていただくことになります。そして、興奮したり行動を繰り返すことで、行為自体がエスカレートすることもあります。甘噛みのつもりがそうではなくなってしまうこともありますので、気を付けて対応いただきたいと思います。
次にうさぎの記憶力ですが、特に嫌なことや繰り返して行われることなどはよく覚えていますが、大好きなことなどもしっかり覚えている様子を感じることがあるのではないでしょうか。大好きなおやつをもらえる状況を感じることでそわそわしたり、通院の準備を察することで警戒する様子などが見られることも少なくありません。ひと月会わないことで飼い主さんのことを忘れてしまうということはないと思います。ただし、これまでとは異なる環境を体験することで、再会した時に戸惑いなどを見せることもあるかもしれませんが、優しく話しかけてあげる、においを感じてもらうことなどで、いつも通りの様子を見せてくれると思います。これまでとは違う環境になりますので、その環境の変化によりうさちゃんの体調に変化がないかをよく観察いただくことも大切です。万が一体調不良のサインが見られるような場合は、迷わずに獣医師にご相談いただきたいと思います。