食事の好みは私たちでもありますから、うさぎさんの場合もそれぞれで違いがあることです。それでもうさぎさんにとって重要な役割をもっている牧草を、好んで食べてもらえる環境を考えていただくことが必要なのだと思います。今回のうさぎさんは成長も順調のようですし、品種による大人になった場合の適正体重にも近づいてきています。もちろん体の大きさにも個体差がありますので、骨格や肉付きなどを見てもらって、こちらのうさぎさんの適正体重も知っていただくこともよいと思います。生後6ヶ月を目安にその体重を維持できるようですとベストといえると思います。そしてアルファルファ牧草は嗜好性が高い牧草ですから、好んで食べてくれる様子が見られると思います。チモシー牧草はアルファルファ牧草に比べると繊維質も豊富ですし食べごたえもありますから、柔らかく嗜好性が高い牧草が好きな子から見ると魅力が少ないのかもしれません。それでも大人になることで牧草の与え方にも見直しが必要になりますから、徐々にイネ科の牧草がメインとなるように切り替えていただくことが必要になります。この場合、牧草だけではなく与えている食事内容全体を見ていただくことも大事なのです。ペレットやおやつなどをお腹いっぱい食べられる状況の中であれば、牧草も美味しい物を優先に食べ、残りは残すという状況も生まれてくると思うのです。体重も順調に増えていますので、ペレット量をそろそろ制限していただくということでも、牧草への興味の示し方が変わってくると思います。今一度うさぎさんの食事内容、量などを振り返ってみてください。マメ科のアルファルファ牧草は大人になったから与えられえないということではなく、ご褒美としての与え方が望ましい状況です。その代わりにイネ科の牧草であれば食べ放題の与え方ができますので、こちらの牧草で好みのものを探してもらうことにもなるのです。チモシー牧草の3番刈りでも積極的に食べてくれるのであれば、こちらでもよいのです。もちろん一番刈りの牧草よりも繊維質が少ない、柔らかいということはありますが、それでもチモシー牧草を食べてもらうということが重要なのです。ただし同じものだけではなく、複数の牧草を選んでいただくこともお勧め致します。食事量の見直しができることで、牧草への興味も示し方が変わってくる可能性もありますので、その時に二番刈りや一番刈りの牧草や、他のイネ科の牧草も与えてみていただきたいのです。違う牧草を食べることで、歯の動かし方などにも違いが見られるようですので、歯の摩耗という点からもよい影響があると考えられると思います。牧草は自然の産物でもありますので、栽培された地域の違いやその時の天候の違いなどで香りや形状に変化が見られます。違いを察知したことでいつも食べている牧草ではないと食べなくなってしまううさぎさんもいますので、そうなった時にこっちの牧草なら食べられるという選択肢を残しておいてあげることも大切なのです。また体調不調の時などにも、食べているものの種類が多くあれば、うさぎさんがその中で今食べられるものを選ぶことができます。牧草選びも頭を悩ませることですが、好みを探していただくこともうさぎと暮らす中でのひとつの醍醐味ではないでしょうか。一喜一憂する場合もありますが、そのことも楽しみながら対応していただけたらと思います。

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