年齢を重ねるようになることで、若い時とは違った様子が見られるようになってきます。見られる行動の変化はもちろんですが、うさぎさんの体にも変化が見られるようになります。下半身の筋力の低下やプロポーションの変化、聴力の変化に目や目の周りの変化、毛や皮膚の変化と、味覚などの食事に関わる変化、そして排泄などにも変化が見られるようになります。個体差のあることですので、これらの変化が一気に見られるということではなく、それぞれのうさぎさんによって見られる変化には違いがあります。ですからその変化がいつもとは少し違う行動として見られた時、これまで以上によくうさぎさんの行動を見てあげていただきたいのです。見られ始める老化の症状が病気の初期症状と似ている場合もありますので、見間違えないように判断していただくこともとても重要になります。所狭しと走ったりジャンプしたりといった様子が見られた時期を経て、年齢を重ねることでゆったりと過ごすことが多くなってきます。筋力も低下してきますので、ちょっとの段差でも億劫になることも少なくありません。トイレを使えていた状況がそうではなくなるという場合は、この段差が苦手になってきている場合や、トイレの場所とはわかっていてもその場に行くまで間に合わないということも考えられます。泌尿器系の問題がある場合には、尿漏れなどの疑いも出てくると思います。頻尿などの様子が感じられるのかどうかという点もよく観察していただくことも必要になります。尿漏れがある時には、後ろ足の内側が汚れやすい状態になりますので、この点も合わせて確認していただくとよいと思います。トイレについては段差のない環境に整えられていますので、トイレも使っている様子があるならば、繰り返して教えてあげることでトイレを使う頻度が上がることも考えられると思います。また、トイレに対する捉え方にうさぎさんなりの変化が起きていて使わないということもあるかもしれません。単なる習慣が変わったという場合もあるかもしれませんが、トイレそのものを素材なども含めて見直してみていただくことでも、見られる行動が変化することもあると思います。ただ、10歳という年齢ですから、加齢による変化が見られるようになっても不思議ではないということを受け止めていただくこともとても大事なことなのだと思います。行動の変化に一喜一憂することもありますが、冷静に状況を判断していただくこともとても大事です。しつけのためと良かれと思って対応したことで、うさぎさんがストレスを感じてしまうようでは、リラックスして過ごすことができない環境を与えてしまうことになってしまいます。年齢に合わせた快適な環境は、それぞれのうさぎさんごとであるといえると思います。体や行動の変化に合った環境を作っていただくことでよいですので、若い時と一緒である必要はないのです。もちろん、急激に環境を変えることで、うさぎさんに戸惑いが生まれることもあります。特に目などに症状がある場合など、これまでの縄張りの中での過ごし方を見出していることになりますので、この場合は大きく変えることなくその中でも快適に過ごすことができる環境を考えていただくことになります。暗がりがあることで、うさぎさんも落ち着く場所を確保できると思いますが、ケージの中が狭くなるほどでは、より動くことができなくなりますので、足腰の筋力低下が進行してしまう場合もあるのではないでしょうか。ゆったりと過ごせる環境の中でも、必要があって動くことができる環境を確保していただきたいと思います。例えばペレットを食べるため、牧草を食べるため、水を飲むためなどと、それぞれの行為をするために移動する環境があれば、必要に応じて運動する場面が生まれますので、運動力を低下せずに維持できると捉えていただけると思います。当店のHPに店長君の飼育講座というページがあります。この中でご長寿うさぎについて特集しているページもありますので、こちらもよろしかったらご参考いただきたいと思います。

当店HP　店長君の飼育講座　第3回ご長寿うさぎ！導入ページ
http://www.rabbittail.com/breeding/detail.asp?id=38