草食動物であるうさぎにとって、牧草は欠かせない食事です。またこの牧草は、うさぎにとって重要な役割を持っています。毛球症の予防や歯の適切な摩耗、腸内細菌の安定やストレスの軽減など、様々な効果が見込めるものでもあるのです。その牧草をしっかり食べてもらえるように、大人うさぎの場合にはいつでも好きな時に食べられる環境を与えていただくことが重要なのです。また、与え方の工夫も必要になってくることでもあります。うさぎさんそれぞれで好みの違いもありますが、自分の好きな部分を探して食べるという状況を見せていることだと思います。好みではない部分はいらないというように、ケージの床や下に落としたり、散らかしたりする様子はわりと見られる行動でもあります。きれい好きな子であれば、足元に落ちている状況がイヤで、きれいにすのこの下に落とすことももちろん考えられることです。また、引き出して食べるという行為自体も、遊びが加わっている可能性もあることでしょう。牧草入れの下に受け皿となるようなものがないタイプであれば、取り除いた牧草が直接床に落ちないように器などを置いてみることもひとつの方法です。ただ、そこからまた掻き出して床に落とすという状況も考えられることですが、試してみていただく価値はあるのかもしれません。また、わらや木製のベットを受け皿代わりに設置してみることもよいのかもしれません。大きければその分牧草を受け止められることにもなると思いますし、これからの時期は寒さ対策にも繋がります。うさぎが一日で食べる牧草の量は、本当にそれぞれの個体事で違っています。また、与え方ひとつでも異なってくることでもあります。ペレットの量をしっかり管理している場合で、つのる食欲を牧草で満たしている状況がある子などであれば、与えるだけ食べるという状況もあります。チモシー牧草の場合には、大人のうさぎについては制限せずに与えていただけますので、たっぷり食べてもらうことに問題はありません。今与えている環境で、うさぎさんの糞の状態に問題がないということですから、あまり神経質にならずに見守ってあげることでもよいのだと思います。うさぎさんの体格や体重、そして健康状態に問題がないかということを診ていただいて、問題がないならば牧草の食べ方もひとつの個性として受け入れていただく状況ともいえるのかもしれませんね。それぞれのうさぎさんが毎日どの程度の牧草を食べているのかを把握していただいて、そのいつもの状況とは異なった状況が見られたときが、うさぎさんからのサインとなります。食べている量がわかりにくいという時は、与える量を同じようにしていただければよいのです。残る量（食べていない量）がどの程度かを合わせて観察していただければ、いつもとの違いも見つけることができると思いますので、参考にしていただきたいと思います。