うさぎさんが噛んでくる時にはいろいろな原因が考えられます。自分の縄張りを主張するため、上下関係をつけるため、発情に関係するなどさまざまなことがあげられます。また本来持っている攻撃性というものも拭い切れません。今回のうさぎさんの場合には、独り立ちをした後にがらっと様子が変わったということです。この環境の変化によって、うさぎさんの縄張り意識を目覚めさせたということや、寂しさのあまりに見せていたなどが考えられることだと思います。年齢が５ヶ月程度とお見受けいたしますので、思春期も加わり噛みつくという行為が見られてしまっていることもあると思います。噛んでくるということが予測できる状況でもありますので、噛まれてもケガをしないですむように、サポーターや手袋などを取り入れていただくことがよいと思います。そして噛まれた時には怯まずに逃げたりしないで受け止めていただくことも重要です。声を出して逃げてしまうことで、うさぎさんが自分のほうが強いと認識して、さらにその行為を見せるようになります。掃除やご飯の準備などでうさぎさんの縄張りに侵入する時には、アクションを起こしてくることが予想できることですので、これまでのような対処法のほか、ケージから出して遊ばせる時間帯や、キャリーに入れるなどしてうさぎさんを一旦避難させてあげることなどでもよいのだと思います。また飼い主さんの体や手の動きがどうであるかということも思い返してみていただくとよいのかもしれません。突然真上から手が伸びてくるということなどであれば、びっくりしたことで噛みつく場合もあります。声をかけながらうさぎさんの視界の中で手を認識させてから手を出してみるということでも、反応が違ってくるかもしれません。うさぎさんがどういった気持ちから見せているのかということを、うさぎさんを取り巻く環境全体を見ながら考えていただきたいと思います。思い当たることがあった時には、その環境を助長しないであげられるように対応して様子を観察していただくことになります。また、改善方法としてよくいわれていることとして、うさぎさんの上に覆いかぶさり顎を頭に擦り付けて、人が上位だということを教えてあげる方法があります。おとなしくなったら優しく撫でてあげていただいて、この機会を繰り返していくことで、行動に変化が見られるようになるようです。こういった対応をしてもそれでも噛んでくるという場合には、去勢という判断もあることでしょう。かかりつけの獣医師ともよくご相談いただきながら、判断していただくことになると思います。