うさぎの糞には、コロコロの形状の糞の他に、小さなつぶつぶ状のものが葡萄のような房状になった盲腸糞があります。盲腸糞は食べ戻しの糞で、タンパク質とビタミンと多くの微生物を含んでいます。うさぎはこれを食べる事でエネルギーを取り込みます。通常はうさぎさん自ら直接口にするのですが、そうしない子やできない子などもいます。その理由としては、栄養が充分に足りている場合などであれば、取り込まずに食べ残す傾向もあるようですし、上手に食べることができない状況（肥満や体に支障がある場合）があるということなどが考えられます。今回のうさぎさんの場合には、この盲腸糞がトイレに落ちてしまったいるという状況が見られているようですので、食べることが出来ていないのか、それとも、食べきれない分が見られているのかということを探っていただく必要はあると思います。盲腸糞は、大体午前中ぐらいまでに生成されてそれを体内に取り込むようですので、朝からお昼ぐらいにかけて、盲腸糞を食べるような仕草が見られるかどうかを確認していただきたいと思います。また、トイレに乗った時に盲腸糞が出ているような時は、うさぎさんの様子を見ながらトイレから盲腸糞を取り出して口元へ持っていってみていただくこともよいでしょう。朝にトイレの掃除をしてきれいな状態であれば、そこへ落ちた盲腸糞を拾って与えてみてもいただけることだと思います。ただし、このように促した場合でも食べないうさぎさんも中にはいるようではあります。この場合にはエネルギーが足りていると解釈できるのかもしれません。食べ残しがあることで、成長や健康に関してすぐに問題がおこるということでもないようですので、安心していただきたいと思います。ただし、盲腸糞に変わる充分な栄養を体内に取り込んでいるかということを、考えてあげることは必要なのだと思います。盲腸糞は、排泄される糞全体の３０～８０％の量にあたるようです。このことから考えると、我々が思っているよりも多くを作り出されているような印象があるかと思います。健康でたくさんの盲腸糞が作り出され、それを食べきれないという状況ならば、心配はないといえるのではないでしょうか。今回の場合は、うさぎさんの体格や体重などと与えている食事内容の確認と、盲腸糞を食べるという素振りがあるのかどうかなどを確認していただくことが必要なのだと思います。