齧るという行為は、うさぎの本能から見られる行動でもあります。ものを食べるためという他に、伸び続ける歯を適切な長さにするためにも、齧るという行動を取ります。齧るという行為を止めさせるということが難しいことでもありますので、齧ってもよい環境を与えてあげるという対処方法をとることがよいと言われています。今回の場合には、齧ってよい環境を与えていただけておりますので、適切な対処だといえると思います。ただ、齧ることの頻度が高いということなのか、与えているかじり木類があっという間に役割を果たしてしまうようですね。齧るという行動が、どこから来ているのかということを考えてみることは大切なことなのだと思います。飼い主さんがおしゃるようにストレスなどが関係しているのかどうか、うさぎさんやうさぎさんを取り巻く環境を今一度見つめ直してみるということは大事なのではないでしょうか。ケージを齧るようになった前後に、何か環境の変化などがなかったか、思い返してみることでそのヒントが見えてくることもあります。また、季節的に気温も上がってきています。うさぎさんのケージ周りの環境は快適かどうかということも、考えてみていただくことも必要でしょう。普段はとても懐いている様子が見られるようですから、もっと側で一緒にいたいという言葉ということもあるのかもしれません。うさぎさんを取り巻く環境全体から、どんな意味があるのかということを探っていただきたいと思います。そして、齧りつづけることがある意味問題行動のひとつとして解釈できるなら、抱っこされることもより苦手な様子を見せたりしていますので、年齢から考えてみると、自我を十分に表現してきているという捉え方もできるのかもしれません。齧ることは齧ってよい環境に整えてあげることで解決できることではありますが、抱っこについては、グルーミングや体のチェックに必要不可欠なことです。この点だけはうさぎさんにもつき合ってもらわなくてはいけません。それでも無理強いすることで、骨折や脱臼などの心配もありますので、比較的大人しくなるうさぎさんの縄張り以外の場所で試していただくとよいと思います。飼い主さんも必要性のある抱っこなのだと強い心を持ちながら、トライしていただくことが重要なのだと思います。