本当にそうですね。過敏過ぎる反応をしてもいけないとはわかりつつ、それでも小さな体のうさぎさんですから、ご不安はあることなのだと思います。問題とされているヨウ素は甲状腺に集まりますので、甲状腺の癌化リスクがあることから、体の小さい乳児ではその分基準が厳しくなってきます。動物の基準値はなかなか見受けられないようですので、人間の乳幼児体重と同様に換算することでよいと思われます。飲む水やミルクの量が、体の大きさから乳児とうさぎでは差があることでしょう。乳児は５～６カ月齢で一日あたり、1000ml前後のミルク３～４回を一日量として飲みます。一方ウサギは体重１キログラムあたり１日１００ｃｃの水を飲みます。乳幼児の基準が100ベクレルですから、うさぎ1キログラムの体重で問題となっている水道水では２ベクレルの摂取になります。ヨウ素の基準値のベクレルとは、放射線を発生している放射性物質からどれくらいの放射線が出ているかの単位です。放射能値で食べたり飲んだりしなければ、全く心配のないものだそうです。基準値を超えなければ、問題なく飲むことができる水なのです。それぞれのお住まいの地域ごとで、その地の水道水の状況が報告されていることと思いますので、まずそちらをご確認していただきながら、適切な判断をとっていただければと存じます。また、ミネラルウォーターを選ぶ場合には、うさぎにとっては軟水のほうが適しているといえます。うさぎの体は私たちと違って、カルシウムを体内に取り込むやすい仕組みになっています。過剰に取り込まれたカルシウムは尿によって排泄されるのですが、この尿に含まれるカルシウム分が結石となって悪さをすることがあります。結石ができやすい子などですと、この症状を誘発するような環境になると考えられるのだと思います。カルシウム量が豊富な硬水は、その点からいえばあまり適していないといえるのだと思います。選ぶことができるならば、軟水がよいのではないでしょうか。これらの水は、開封後の長期保存ができないこともあると思いますので、雑菌などが含まれることのないように、与え方や保管方法に気をつけていただくことは必要になってくると思います。そしてこれらの飲料水も、手に入りにくい状況となってしまっているのだと思いますので、次の方法もご案内いたします。
１）冷蔵庫で8日アルミ箔で遮蔽して保管する
２）使用前に15分以上沸騰させる
３）それをさましてからうさぎに与える
今回の放射性物質が水道水に含まれた要因として、空気中に拡散されてしまった放射線が、風や雨によって水源や土壌に吸収されたともいえる状況なのだと思います。この放射線は放射性同位元素からできているそうです。放射性同位元素というものはとても不安定で、放射線を放出することで安定した元素になり、原子の名前も変わってくるようです。その中に今回問題となっているヨウ素１３１があるのです。ヨウ素131はベータ線（電子線）を出して安定した原子キセノン（無害）になり、出てくる放射線の量はヨウ素の量に比例するということです。放射線の量は時間とともに少なくなるのには、この安定したキセノンに変わることでヨウ素の量が減るという流れのようです。ヨウ素の半減期は８日。そこで、８日立つと最初のヨウ素の量の半分になることで、放射線の量も半分になるということがいわれているのです。そしてヨウ素はβ線で、アルミ箔などで遮蔽出来るのだそうです。使用前に火にかけていただくことの理由としては、水道水に含まれる塩素が抜けてしまうのでいたみやすい状況ということと、有害物質であるトリハロメタンを除去する意味があります。１５分沸騰と続けていただくことで取り除くことができますので、沸騰したからよしということではありません。沸騰した状態すぐでは、逆にトリハロメタンが発生しやすい状況でもあるようですので、この点はご注意ください。また、トリハロメタンを除去できる浄水器があるならば、煮沸の変わりに浄水を通すということでも効果があるのだと思います。冷蔵庫で雑菌が入らないようにしっかり保管できる場合ならば、煮沸後のさましたものを半減期までアルミ箔で遮断して保管することも一つの方法となると思います。