水の取り方は、それぞれのうさぎさんによって違いがあることではあります。たくさん飲む子もいれば、極端に少ない子も中にはいるようですからね。もともとのうさぎさんの個性ともいえることのほか、うさぎさんを取り巻く環境（食事内容や飼育環境）でも変わってくることではあります。今回のうさぎさんの場合には、元々たくさんの水を飲む子ということで、飲み方が変わったということではないようですね。その点からは、本来このうさぎさんに必要な量の水を摂取していると解釈できることなのだと思います。たくさん水を取り込む＝たくさん排泄されることになりますから、ケージの環境も予想ができることではあります。トイレが決まっていないうさぎさんということですが、こういった排尿の量が多い子の場合には、逆に悪くない環境なのかもしれません。飼い主さんがおっしゃるように、トイレを覚えてきちんと使っても、溢れてしまうトイレの環境をマメに掃除してあげることも必要になるのだと思います。体や足裏が汚れない環境を与えていただくことが必要ですからね。飼育環境を今一度見直していただきながら、トイレのしつけを続けていただくことはできることだと思います。飼い主さんが提供した環境を、うさぎさんも同じように受け入れてくれることができれば、トイレを使ってくれるようになる、トイレを覚えたといえるのだと思います。それにはうさぎさんがケージの中をどう使っているのか、どこをトイレとして使っている可能性が高いのか、トイレの大きさや仕様などの好みはどうかなど、じっくり観察しながら対応していただきたいと思います。何歳になったからしつけは無理ということはありませんからね。ただ、どうしてもトイレを使わない、ケージの中の一か所に決めない、決められない子もいるのです。それが当てはまる場合には、トイレを設置しなくても快適に過ごしてもらえる環境を与えていただくことが必要になってくるのだと思います。そして、多飲多尿が病気のサインではないかということを疑っていただくことも重要なことなのだと思います。多飲多尿の状況が見られる時で考えられる病気としては、慢性腎不全、糖尿病、肝不全などのほか、うっ滞や毛球症、粘液性腸疾患、腸性毒血症などの疑いが考えらえるようです。急に飲水量が増えたということではありませんので、可能性が少ないのかもしれませんが、次の健康診断の際に、うさぎさんの体に問題がないかということを合わせて診ていただくこともよいことなのだと思います。病気が隠れていないかということをしっかり見極めていただくことは重要なことですからね。