うさぎさんは生後３～４ヶ月位から縄張り意識が芽生えてくるようです。それは個体差も随分あるようですが、今回の場合、トイレのしつけもしっかりできているようですから、この縄張りの可能性もあるように思えますね。
うさぎの縄張りの主張には、１）肛門横の臭腺からでる分泌液の匂いをころころの糞につけてあたりかまわずまき散らす方法と２）おしっこによる匂い付けと、３）顎の下の臭腺を擦りつける方法などがあります。この匂い付けは、「ここは自分の場所！」という言葉ですありますから、そろそろ大人になってきたな～と見守ってあげて欲しいとも思いますよ。また興奮するだけでも走り回って糞をまき散らしますので、そんな時には、初めに小さなサークルに出してしばらく過ごさせて、興奮をとめてからお部屋に放す事をすると糞のまき散らしは防げるかもしれませんよ。そして、おしっこや糞をして汚してもすぐにお掃除できる環境なども必要ですね。
それから、去勢の前にうさぎさんとの関係の持ち方をもう一度考えることもとても大切です。去勢をすると、男の子特有の縄張り行為やマウンティングが少なくなるとも言われていますが、実は完全になくなるわけではないようなのです。この縄張りの主張が見られる時期を思春期とも呼んでおりますが、うさぎさんの縄張りを広げてしまうような環境などに気を付けていただくことでも、問題となる行動は改善されることが多いのです。うさぎさんの生活全体を見直していただいて改善するところがあれば改善しながら、様子を見ることもとても大切です。そして去勢手術は一番最後に考えてもよいものなのだと思いますよ。
そして、お住まいの地域によっては、うさぎ専門医がなかなか見つからない場合もあると思います。ですが、きっとうさぎさんを熱心に診てくれる獣医師がいることと思いますので、知り合いの方にお聞きすることや、情報が満載なネットなどで探してみること、地域の獣医師会などにご相談されてもよいのかもしれませんね。
また、抱っこが出来ないということのようですが、お話をお聞きするには、とても懐いていらっしゃるようですから、あとは飼い主さんの心意気ひとつともいえるかもしれません。本来うさぎさんは抱っこされることが苦手ですから、自分から抱かれるといった行動はまれだと考えていただいたほうが、気分的にも楽になりませんか？膝の上にも乗ることができますし、側でくつろいだりもしますから、あとちょっとなのだと思います。うさぎさんがどのように過ごすのか、手を出さずによく観察してみてください。逆に飼い主さんがじっとしていると、うさぎさんのほうから興味を示して、周りを探索したり、膝に手を掛けたりしてくると思いますよ。なによりも時間をかけながら、そしてうさぎさんのペースも見ながら温かく見守ってあげていただきたいと思います。そして抱っこが必要な爪切りやグルーミングの時は、ぶらうぅまま様も、そしてうさぎさんにも覚悟してもらい、トライしていただきたいと思いますよ。うさぎさんの縄張り以外の場所で、そこへ向かう時に抱きかかえる必要がある場合は、タイミングを逃さないように素早く！がコツです。タイミングを逃すと「捕まえられる！」と察知して興奮します。また不安定な抱き方だったり、飼い主さんに迷いがあると、うさぎさんに逃げられる要素を与えてしまいますので注意も必要です。躊躇せずに素早く捕まえて、うさぎの興奮がおさまるまで我慢しましょう。興奮を抑えてあげてからケージの中やお部屋に戻すとうさぎさんにストレスがかかりにくくなりますので、うさぎさんのタイミングで放すのではなく、たとえ短い時間でも飼い主さんの意思で抱っこから開放してあげることが大切です。うまく抱っこが出来ると言うことは、飼い主さんが上手になるということなのです。初めはうまくいかないのがあたりまえですので、少しずつ慣れることでよいのですよ。どうぞ頑張ってトライしてくださいね。