トップ > 飼育講座 > 第15回 うさぎの運動を考える

2018年05月16日 掲載

第15回 うさぎの運動を考える

店長の飼育講座

町田店長うさちゃんは、日本人にとって身近であって、意外と知らなかった動物の一つだと思います。昔から、小学校等にいたのにその生態や飼い方があまり知られていません。
その為に間違った飼い方がされることも多いのではないかと思います。
例えば「兎は水を飲むと死んでしまう」。だから、水を与えない等ですね。

この講義を全て読んでもらった後、「うさちゃんを正しく飼う、飼育する」ではなく「うさちゃんと楽しく生活する」に変われるようになればいいなと思っています。

町田 修

第15回 うさちゃんの運動を考える 貴方のうさちゃんに合った12パターン

うさちゃんと長く生活している方の中には、うさちゃんのケージの大きさや運動量について「今のままでいいのかしら」と不安に思ったり、疑問を感じている方が多いのではないでしょうか?そんな疑問を解決するために、うさちゃんの活動するスペースについてまとめてみました。是非、貴方のうさちゃんの快適な生活の為に役立ててみて下さいね

1:うさちゃんに運動は必要か?

 うさちゃんをイメージする時、野山を駆け回り、動き回るイメージがありますが、実はうさちゃんは必要な時以外はじっとしている動物なのです。では、彼等に運動はあまり必要ないのでしょうか?実は、野生の野ウサギでも穴ウサギでも生きていくために必要な行動は意外と多く、大変な努力をして食べ物を見つけたり、縄張りを拡げたり、時には命からがら天敵から逃げたりと大忙しです。私たちの家で生活しているうさちゃんは、本来生きていく為に必要な運動をしなくても、十分生きていける環境にあります。ある面から考えればとても幸せかもしれません。しかし、彼等が本来持っている運動能力を発揮することなく、運動する場所や機会がなくなるのは、手放しで喜んでいられる状況ではありません。私たちは、大切なうさちゃんがずっと健康でいられるために、彼等の興味を引き、行動を促し、必要な運動をさせる工夫をしなければいけません。筋肉を動かすことで骨格が丈夫になりますし、体を動かす事で胃腸の働きもよくなります。  では、どんな環境が必要なのか、どんなものに興味を持つのか?これは皆さんがよくご存じだと思います。うさちゃんは、ちょっと高いところが好きです。穴が好きです。狭いところが好きです。自分の通り道をつくります。齧れるものが好きです。おやつが好きです。そして、貴方と遊ぶのが何よりも好きなはずです。  うさちゃんの運動を考えるとき、先ず頭に入れておいて欲しいことがあります。それは、彼等は夕方から夜、明け方に活発になるという事です。このため、薄明薄暮性(夜行性や昼行性に対比する言葉)と言われています。これは、身を守るために残っている本能だと思います。では、この時間に運動させなければいけないのかというと、そうでもないようです。うさちゃんは環境に対する適応性が高く、ゆっくり時間をかければ、皆さんの生活スタイルにかなり合わせることができるようです。ただ、重要なのはゆっくり時間をかけてあげることです。そして、体調が心配な時は、薄明薄暮性の動物という事を思い出して、本来持っている体内時計と活動時間を近づけてあげましょう。ちなみに、午後2~3時位は彼等の活動性が低くなるので、グルーミングなどが苦手な子も意外とすんなり受け入れてくれるかもしれません。

2:12通りの飼い方のパターン

 うさちゃんの生活や行動は、年齢や性別によって大きく異なります。これは、彼等が持っている本能やホルモンなどの関係もあると思います。今回は、うさちゃんのタイプとオーナーさんの生活環境も考慮に入れて12通りに分けて説明します。うさちゃんは個体差が大きい動物なので、これから紹介するパターンに当てはまらない子も多くいるはずです。臨機応変に考えていきましょう。悩んでしまった時には、店頭でご相談ください。  

●垂耳・立耳 立ち耳で2kg程度のうさちゃんは、垂れ耳で考えて下さい。(2通り)  

●成  長  1才までを成長期、4才までを維持期、それ以降を高齢期(3通り)  

●性  別  男の子か女の子(2通り)


1:立ち耳・成長期(~1才まで)・男の子 ~心と体が大きく変化するのが特徴です。~

特徴:この時期は、心と体が大きく変化するのが特徴です。特に男の子の場合には、3ヶ月位から少しずつ縄張り意識が出はじめます。トイレのしつけなどがしっかりできていたのが、急にいろいろな所におしっこをしたりする子もいます。これはうさちゃんが成長する為の正常な行動なので心配する必要はありませんが、対応を間違ってしまうとわがままな子になったりする可能性もあります。また、若干臆病な面もあるので、その性格が助長されないように気を付けましょう。

考え方:初めてケージを選ぶとき、大きめのケージを選ぶ必要はありません。1kg程度が大人になった時の大きさであれば、45cm×60cm程度の大きさで十分です。広い空間でうさちゃんだけの遊び場を作るより、飼い主さんとの関わりを持てるような空間を考え、スキンシップを多くしてあげて下さい。この時期はうさちゃんの体が大きく成長するので、より多くの運動を経験させてあげる必要もあります。体の使い方がまだ上手ではないので、思わぬところで怪我をしたりします。ケージ内のレイアウトはシンプルに安全に作ってあげて下さい。思春期には、走らせる運動などはクイックサークルのような簡易サークル等を使い、サークル内がこの子のテリトリーとならいようようにするのがいいでしょう。

(1)十分な遊び場がある方:わがままな子にならないように、サークルの常設を控えましょう。
(2)十分な遊び場がない方:廊下等に簡易サークルなどを設置し、運動させてあげましょう。
1才近くの子は「維持期」も参考にして下さい。

参考商品:プロケージ60 クイックサークル


2:立ち耳・成長期(~1才まで)・女の子 ~心と体が大きく変化するのが特徴です。~

特徴:立ち耳の女の子の場合には、3ヶ月位から少しずつ巣を守る行動や縄張り意識が芽生え始め、今までなかった感情の起伏が出はじめます。立ち耳の女の子は、思春期や性成熟が早く、特に慎重なところがありますので、おおらかな性格に育てるためには、オープンな生活環境を考えてあげる事が大切になります。

考え方:初めて使うケージは先に紹介した理由と同様に大きな空間は必要ありません。完全に隠れる場所を作らないようにして、閉じこもりや神経質にならないようにしてあげます。ケージの中だけに強い縄張り意識を持たないように、サークルなどを常設してテリトリーを広めにしてあげましょう。但し、女の子でも縄張り意識を強く持つ子もいますので、そのような場合には、「男の子の考え方」を参考にしてください。

(1)十分な遊び場がある方:様子を見ながらサークルの常設を考えてあげましょう。大きなケージをおく余裕があっても、初めのうちは控えましょう。
(2)十分な遊び場がない方:簡易サークルは、基本的に同じ場所に設置してあげましょう。
1才近くの子は「維持期」も参考にして下さい。

参考商品:プロケージ60 クイックサークル


3:垂れ耳・成長期(~1才まで)・男の子 ~心と体が大きく変化するのが特徴です。~

特徴:立ち耳の子の比べると思春期は少し遅れてきます。好奇心旺盛なところがあるので、特に対応を気をつける必要があります。飼い主さんとの関わりを持とうとするのか、外に出たがる事などが多くなりますが、要求に応じて遊んであげたりすると落ち着きのない子になってしまうかもしれません。毅然とした態度でしっかりとしつける必要があります。

考え方:初めて使うケージは、大きくなることを考えて、スペースが許せば大きめのものがいいでしょう。背伸びができる高さ、寝そべることができる広さが目安になります。体が大きいので、空中メッシュハウス等を利用して、ベッド等を作ってあげるのもいいでしょう。走らせる運動などはクイックサークルのような簡易サークル等を使い、サークル内がこの子のテリトリーとならいようようにするのがいいでしょう。うさちゃんのテリトリーは時間をかけて、少しずつ拡げてあげるようにするといろいろな問題行動も出にくくなります。遊ぶ時間も基本的には一定しにして、規則正しいサイクルを作ってあげましょう。

(1)十分な遊び場がある方:立ち耳の子より広いスペースで運動させてあげましょう。ただし、思春期には、わがままな子にならないように、常にサークルを設置するのは控えましょう。
(2)十分な遊び場がない方:廊下等に簡易サークルなどを設置し、運動させてあげましょう。十分な場所がなく、お部屋に出す時には、狭いサークルで十分過ごさせた後に時間を決めて出してあげましょう。
1才近くの子は「維持期」も参考にして下さい。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル フルハウス


4:垂れ耳・成長期(~1才まで)・女の子 ~心と体が大きく変化するのが特徴です。~ 

特徴:立ち耳の子同様、思春期になると感情の起伏が出始めます。もともとおっとりとした性格を持っているので、思春期や発情の時の様子(行動)の変化に驚く飼い主さんもいるかもしれませんが、これは一時的なものなので、あまり心配する必要はありません。「あっ、思春期が始まった」と広い心で見てあげて下さい。

考え方:初めて使うケージは、男の子と同じように、スペースが許せば大きめのものがいいでしょう。垂れ耳の子でも中には慎重な子もいるので、「立ち耳の女の子」も参考にして下さい。一般的に、垂れ耳の女の子は、問題行動などが起きにくいので、発情の時の巣を守る行動(ケージ内のものに飼い主さんが手を出した時、手ではたくような行動をする。ラビットパンチ!)の時、驚かないようにしてあげればいいかもしれません。

(1)十分な遊び場がある方:様子を見ながらサークルの常設を考えてあげましょう。
(2)十分な遊び場がない方:廊下等に簡易サークルなどを設置し、運動させてあげましょう。
1才近くの子は「維持期」も参考にして下さい。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル フルハウス


5:立ち耳・維持期(~4才まで)・男の子 ~個体差に合わせた生活環境を!~

特徴:立ち耳の男の子は、とても活動的で俊敏性もあります。成長期から徐々に広げたテリトリーが決まると安定してきます。但し、飼い主さんが一度広げたテリトリーを小さくすると、ストレスを感じて問題行動を起こしたり、新しい部屋に連れて行き遊ばせたりすると縄張りを主張しはじめます。

考え方:ケージの中では、ハウスやロフト等を利用して、上下の運動などができるようにしてあげましょう。ケージを広くしたりサークルを常設したりして、うさちゃんがいろいろなスペースを使い分けできるような環境が大切です。
(1)十分な遊び場がある方:サークルを常設したり、ケージを大きくしたりしてあげましょう。
(2)十分な遊び場がない方:ケージの中を充実させて、特に上下関係のレイアウトを考えてあげてください。体力が衰えてきたかな?と思う子は「高齢期」を参考にしてください。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル キューブハウス フルハウス 空中メッシュハウス


6:立ち耳・維持期(~4才まで)・女の子 ~個体差に合わせた生活環境を!~

特徴:発情する時期を除き、安定した生活を送るようになります。巣に対する防衛本能からテリトリー内にあるおもちゃや食器等に執着を持つ傾向があります。また、発情は3才位から少なくなるので、活動性を落とさないように定期的に遊ぶ時間をとるのがいいでしょう。

考え方:この時期は男の子の場合と大きく異なることはありませんが、内気な性格が強い子は、できる限りオープンな環境、完全にうさちゃんが隠れるハウス等は使わないようにし、早い時期に安定した環境をつくるほうがいいでしょう。
(1)十分な遊び場がある方:サークルを常設したり、ケージを大きくしたりしてあげましょう。
(2)十分な遊び場がない方:ケージの中を充実させて、特に上下関係のレイアウトを考えてあげてください。体力が衰えてきたかな?と思う子は「高齢期」を参考にしてください。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル キューブハウス フルハウス 空中メッシュハウス


7:垂れ耳・維持期(~4才まで)・男の子 ~個体差に合わせた生活環境を!~

特徴:うさちゃんの行動パターンが出来上がり、甘えん坊になりやすくなります。立ち耳の子に比べ、行動範囲の広げ方が早いかも知れませんが、3才位を境に徐々に落ち着いてきます。

考え方:十分に運動できる環境を用意し、心と体を発散させてあげることが大切になります。ケージの中に上下関係のレイアウトを作るのもいいでしょう。また、うさちゃんのペースになりすぎて、飼い主さんがついて行けなくならないように、甘やかしすぎに注意して下さい。
(1)十分な遊び場がある方:大きなサークルを常設したり、ケージを大きくしたりしてあげましょう。
(2)十分な遊び場がない方:ケージの中を充実させて、特に上下関係のレイアウトを考えてあげてください。廊下等に簡易サークルなどを設置し、運動させてあげましょう。お部屋に出す時には、狭いサークルで十分過ごさせた後に時間を決めて出してあげましょう。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル キューブハウス フルハウス 空中メッシュハウス


8:垂れ耳・維持期(~4才まで)・女の子 ~個体差に合わせた生活環境を!~

特徴:ケージへの強い縄張り意識や頑固なところが一番目立つ時期です。また、ホルモンの関係による疑似妊娠を起こし、巣作りをする子も珍しくありません。しかしこのような行動も3才位から徐々に弱くなります。

考え方:比較的早く発情が落ちつくためか、活動性が低下するのも早い傾向があります。ケージやサークルのレイアウトなどを工夫して、おやつ入れやペレット入れを離れたところに置く、少し高いところに置く等、体力の低下が起きないようにしてあげましょう。また、定期的に遊ぶ時間も作ってあげましょう。
(1)十分な遊び場がある方:サークルを常設したり、ケージを大きくしたりしてあげましょう。
(2)十分な遊び場がない方:ケージの中を充実させて、特に上下関係のレイアウトを考えてあげてください。廊下等に簡易サークルなどを設置し、運動させてあげましょう。お部屋に出す時には、狭いサークルで十分過ごさせた後に時間を決めてあげましょう。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル キューブハウス フルハウス 空中メッシュハウス


9:立ち耳・高齢期・男の子

比較的に体力や活動性の低下は起きにくいようです。登ろうとしてひっくりかえる等の様子が見られたら、高齢期の準備をしてあげましょう。維持期と同様に個体差が大きいので、維持期や垂れ耳の特徴も参考にしてください。生活環境では、ジャンプして登るよりもスロープに、平面的な移動距離が多くなるように、ケージやサークル内に広がりを持つようなレイアウトにしてあげましょう。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル


10:立ち耳・高齢期・女の子

男の子と同様に、活動性の低下は起きにくい傾向があります。ケージに対する縄張り意識は、どの子も比較的穏やかになります。身体的には、首の下の肉垂など体に脂肪が付きやすく、いろいろな病気になる子が少なくありません。高齢期の肥満などは運動量だけでは対策できませんので、食事の量や質なども見直す必要があります。生活環境では、男の子の内容を参照して頂き、定期的に遊ぶ回数を多くとってあげましょう。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル


11:垂れ耳・高齢期・男の子

下半身の筋力低下が起こり、足腰が弱くなります。その為に、自分の体をケアしにくくなったり、盲腸糞を食べられなくなったりします。不衛生な状況になりやすいので、こまめに足裏や生殖器まわりの健康チェックをしてあげるのがいいでしょう。生活環境の考え方は、立ち耳の子と同様ですが、この子の体力に応じてロフトなどの高さ環境の調節をしてあげるのがいいでしょう。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル


12:垂れ耳・高齢期・女の子

性格は、維持期と比べるとだいぶ穏やかになってきます。立ち耳の女の子以上に脂肪がつきやすくなりますので、食事や運動量を考えてあげる必要があります。生活環境の考え方は男の子と同様ですが、この子の体力に応じてロフトなどの高さ環境の調節をしてあげるのがいいでしょう。また、トイレに登るのが大変になってしまう子には、トイレを撤去するのも一つの考え方です。

参考商品:プロケージ80 クイックサークル


ページトップへ