2018年05月16日 掲載
うさちゃんは、日本人にとって身近であって、意外と知らなかった動物の一つだと思います。昔から、小学校等にいたのにその生態や飼い方があまり知られていません。
その為に間違った飼い方がされることも多いのではないかと思います。
例えば「兎は水を飲むと死んでしまう」。だから、水を与えない等ですね。
この講義を全て読んでもらった後、「うさちゃんを正しく飼う、飼育する」ではなく「うさちゃんと楽しく生活する」に変われるようになればいいなと思っています。
町田 修
うさちゃんと長く生活している方の中には、うさちゃんのケージの大きさや運動量について「今のままでいいのかしら」と不安に思ったり、疑問を感じている方が多いのではないでしょうか?そんな疑問を解決するために、うさちゃんの活動するスペースについてまとめてみました。是非、貴方のうさちゃんの快適な生活の為に役立ててみて下さいね
うさちゃんをイメージする時、野山を駆け回り、動き回るイメージがありますが、実はうさちゃんは必要な時以外はじっとしている動物なのです。では、彼等に運動はあまり必要ないのでしょうか?実は、野生の野ウサギでも穴ウサギでも生きていくために必要な行動は意外と多く、大変な努力をして食べ物を見つけたり、縄張りを拡げたり、時には命からがら天敵から逃げたりと大忙しです。私たちの家で生活しているうさちゃんは、本来生きていく為に必要な運動をしなくても、十分生きていける環境にあります。ある面から考えればとても幸せかもしれません。しかし、彼等が本来持っている運動能力を発揮することなく、運動する場所や機会がなくなるのは、手放しで喜んでいられる状況ではありません。私たちは、大切なうさちゃんがずっと健康でいられるために、彼等の興味を引き、行動を促し、必要な運動をさせる工夫をしなければいけません。筋肉を動かすことで骨格が丈夫になりますし、体を動かす事で胃腸の働きもよくなります。 では、どんな環境が必要なのか、どんなものに興味を持つのか?これは皆さんがよくご存じだと思います。うさちゃんは、ちょっと高いところが好きです。穴が好きです。狭いところが好きです。自分の通り道をつくります。齧れるものが好きです。おやつが好きです。そして、貴方と遊ぶのが何よりも好きなはずです。 うさちゃんの運動を考えるとき、先ず頭に入れておいて欲しいことがあります。それは、彼等は夕方から夜、明け方に活発になるという事です。このため、薄明薄暮性(夜行性や昼行性に対比する言葉)と言われています。これは、身を守るために残っている本能だと思います。では、この時間に運動させなければいけないのかというと、そうでもないようです。うさちゃんは環境に対する適応性が高く、ゆっくり時間をかければ、皆さんの生活スタイルにかなり合わせることができるようです。ただ、重要なのはゆっくり時間をかけてあげることです。そして、体調が心配な時は、薄明薄暮性の動物という事を思い出して、本来持っている体内時計と活動時間を近づけてあげましょう。ちなみに、午後2~3時位は彼等の活動性が低くなるので、グルーミングなどが苦手な子も意外とすんなり受け入れてくれるかもしれません。
うさちゃんの生活や行動は、年齢や性別によって大きく異なります。これは、彼等が持っている本能やホルモンなどの関係もあると思います。今回は、うさちゃんのタイプとオーナーさんの生活環境も考慮に入れて12通りに分けて説明します。うさちゃんは個体差が大きい動物なので、これから紹介するパターンに当てはまらない子も多くいるはずです。臨機応変に考えていきましょう。悩んでしまった時には、店頭でご相談ください。
●垂耳・立耳 立ち耳で2kg程度のうさちゃんは、垂れ耳で考えて下さい。(2通り)
●成 長 1才までを成長期、4才までを維持期、それ以降を高齢期(3通り)
●性 別 男の子か女の子(2通り)
1:立ち耳・成長期(~1才まで)・男の子♂ ~心と体が大きく変化するのが特徴です。~
特徴:この時期は、心と体が大きく変化するのが特徴です。特に男の子の場合には、3ヶ月位から少しずつ縄張り意識が出はじめます。トイレのしつけなどがしっかりできていたのが、急にいろいろな所におしっこをしたりする子もいます。これはうさちゃんが成長する為の正常な行動なので心配する必要はありませんが、対応を間違ってしまうとわがままな子になったりする可能性もあります。また、若干臆病な面もあるので、その性格が助長されないように気を付けましょう。
考え方:初めてケージを選ぶとき、大きめのケージを選ぶ必要はありません。1kg程度が大人になった時の大きさであれば、45cm×60cm程度の大きさで十分です。広い空間でうさちゃんだけの遊び場を作るより、飼い主さんとの関わりを持てるような空間を考え、スキンシップを多くしてあげて下さい。この時期はうさちゃんの体が大きく成長するので、より多くの運動を経験させてあげる必要もあります。体の使い方がまだ上手ではないので、思わぬところで怪我をしたりします。ケージ内のレイアウトはシンプルに安全に作ってあげて下さい。思春期には、走らせる運動などはクイックサークルのような簡易サークル等を使い、サークル内がこの子のテリトリーとならいようようにするのがいいでしょう。
(1)十分な遊び場がある方:わがままな子にならないように、サークルの常設を控えましょう。
(2)十分な遊び場がない方:廊下等に簡易サークルなどを設置し、運動させてあげましょう。
1才近くの子は「維持期」も参考にして下さい。
(1)十分な遊び場がある方:様子を見ながらサークルの常設を考えてあげましょう。大きなケージをおく余裕があっても、初めのうちは控えましょう。
(2)十分な遊び場がない方:簡易サークルは、基本的に同じ場所に設置してあげましょう。
1才近くの子は「維持期」も参考にして下さい。
(1)十分な遊び場がある方:立ち耳の子より広いスペースで運動させてあげましょう。ただし、思春期には、わがままな子にならないように、常にサークルを設置するのは控えましょう。
(2)十分な遊び場がない方:廊下等に簡易サークルなどを設置し、運動させてあげましょう。十分な場所がなく、お部屋に出す時には、狭いサークルで十分過ごさせた後に時間を決めて出してあげましょう。
1才近くの子は「維持期」も参考にして下さい。
(1)十分な遊び場がある方:様子を見ながらサークルの常設を考えてあげましょう。
(2)十分な遊び場がない方:廊下等に簡易サークルなどを設置し、運動させてあげましょう。
1才近くの子は「維持期」も参考にして下さい。
参考商品:プロケージ80 クイックサークル キューブハウス フルハウス 空中メッシュハウス
参考商品:プロケージ80 クイックサークル キューブハウス フルハウス 空中メッシュハウス
参考商品:プロケージ80 クイックサークル キューブハウス フルハウス 空中メッシュハウス
参考商品:プロケージ80 クイックサークル キューブハウス フルハウス 空中メッシュハウス
比較的に体力や活動性の低下は起きにくいようです。登ろうとしてひっくりかえる等の様子が見られたら、高齢期の準備をしてあげましょう。維持期と同様に個体差が大きいので、維持期や垂れ耳の特徴も参考にしてください。生活環境では、ジャンプして登るよりもスロープに、平面的な移動距離が多くなるように、ケージやサークル内に広がりを持つようなレイアウトにしてあげましょう。
10:立ち耳・高齢期・女の子♀
男の子と同様に、活動性の低下は起きにくい傾向があります。ケージに対する縄張り意識は、どの子も比較的穏やかになります。身体的には、首の下の肉垂など体に脂肪が付きやすく、いろいろな病気になる子が少なくありません。高齢期の肥満などは運動量だけでは対策できませんので、食事の量や質なども見直す必要があります。生活環境では、男の子の内容を参照して頂き、定期的に遊ぶ回数を多くとってあげましょう。
11:垂れ耳・高齢期・男の子♂
下半身の筋力低下が起こり、足腰が弱くなります。その為に、自分の体をケアしにくくなったり、盲腸糞を食べられなくなったりします。不衛生な状況になりやすいので、こまめに足裏や生殖器まわりの健康チェックをしてあげるのがいいでしょう。生活環境の考え方は、立ち耳の子と同様ですが、この子の体力に応じてロフトなどの高さ環境の調節をしてあげるのがいいでしょう。
12:垂れ耳・高齢期・女の子♀
性格は、維持期と比べるとだいぶ穏やかになってきます。立ち耳の女の子以上に脂肪がつきやすくなりますので、食事や運動量を考えてあげる必要があります。生活環境の考え方は男の子と同様ですが、この子の体力に応じてロフトなどの高さ環境の調節をしてあげるのがいいでしょう。また、トイレに登るのが大変になってしまう子には、トイレを撤去するのも一つの考え方です。