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トップ > 飼育講座 > 第30回 フードの表記を読んでみよう

2023年03月22日 掲載

第30回 フードの表記を読んでみよう

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フードの表記を読んでみよう

うさちゃんのフードパッケージの裏面には、成分表が載っています。よく見てみると、人間の栄養素とよく似ていますが、少し表記の仕方が違うと思いませんか?
まず、気になるのが栄養素の前についている「粗」という字。これは人間の栄養素と何が違うのでしょうか?
「粗」とついていると、おおまかな数値を示したように感じますよね。これは、人間の食品分析と違う方法で行っているためです。その分析方法は、比較的容易なものですが、長い歴史の中でデータが蓄積されているため、有用な情報とされています。
人間の食事とうさちゃんの食事との違いは、人間は自分で栄養バランスを考えながら食品を選ぶことができるのに対し、うさちゃんは自分では選べないことです。だからこそ飼い主さんが一定の栄養分が入ったものをあげる必要があるのです。





表記の違いは他にも、炭水化物は粗繊維に、ミネラルは粗灰分に置き換えられている点が挙げられます。ところが炭水化物は、大きく糖質と食物繊維に分けられ、さらに食物繊維は水溶性と不溶性に分けられます。フードに表記されている粗繊維は、この中の不溶性食物繊維に属していて、炭水化物の中でも、うさちゃんに必要な部分をピックアップしたような表記になっているのです。ちなみにミネラルである粗灰分は、最近ではカルシウムやリンとして表記されることが多くなってきました。
うさちゃんの健康に関わる栄養素が具体的に表記されるようになったのは嬉しいですね。





その表記、うさちゃんに合ってる?

人間や犬猫の加工食品には、栄養成分の量や熱量の表示が義務付けられています。ところが、うさちゃんのフードは義務づけされていません。そのため、成分は書かれていますが、表記の仕方は犬猫の表記に合わせていることが多く、うさちゃんに合った表記とは言えないのです。
また、フードの主な成分は%以上、%以下と書かれています。すべての成分を足すと100%に近くなるはずが、かなりの%が残っていることに気づきませんか?
これは、炭水化物の表記が粗繊維だけになっていることで、糖質などの数値が載っていないことが理由の1つです。
この炭水化物は糖質と食物繊維の2つに分けることができます。糖質は、体を動かす主要なエネルギーになりますが、摂りすぎると肥満の原因にもなります。また糖質の中の「でんぷん」は消化されにくいために過剰摂取すると、お腹の動きが停滞する、「うっ滞」などの病気の原因にもなりますから、注意が必要です。
ちなみに炭水化物のうち、人やうさちゃんでは消化できず、エネルギーにならないものが食物繊維になります。しかし、うさちゃんの場合、腸内にいる微生物(腸内細菌)がこの食物繊維(繊維質)を分解し、うさちゃんがそれを食べること(食糞行動)で、エネルギーを摂ることができるのです。
フードを選ぶとき、糖質のなるべく少ないものを選ぶのが理想的ですが、P5のように成分表そのままでは読み取ることができません。でも成分表を使って、大体の糖質の量を計算することは可能です。





さらにビタミンなどは、IU/100gやIU/kgなどの単位で表記されており、とても分かりにくくなっています。本来は、これらの表記全てを%に変換し、糖質も追加して初めて全体のバランスが分かるのかもしれません。
また、成分が%以上や以下と書かれていると、とてもあいまいな感じがしますよね。でも、それはフードの主原料が牧草だから。牧草などの農作物は、気候によってどうしても出来栄えが左右されます。その農作物を相手にしていますから、成分もまた出来栄えに左右されてしまうのです。
 そのため、どんな気候になっても最低限保証できる成分を示すために、今のような表記になっているようです。



※この記事は、「Shippo vol.5 うさぎのフードを考える!」のP5-6から抜粋しています。Shippo vol.5をお持ちの方は、ぜひ併せてご覧ください。

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