アメリカの純血種
「しっぽ」で扱ううさぎ
血統書の見方
純血うさぎの見方




皆さんには、純血種=高級種というイメージがあるのではないでしょうか。確かに、現在、純血種は、高い価格で売買されています。これは、純血種だから高いというのではないのですが、そのような風潮があるのは事実ですね。ショップで販売される時には、生体の価格の他に様々な費用がかかります。これが、生体の価格を上げているのは確かですが、それ以前に生体をしっかり繁殖する事には、費用がかかるのです。動物を責任をもって繁殖することは本当に大変なのです。話を本題に戻します。純血種を一言で言い表すと人工種とでも表現できると思います。この言葉を使うと嫌な気持ちになる方がいるかもしれませんね。しかし、人工的に作られた動物だからこそ私たちが負わなければならない義務があるのです。そのことを忘れない為にもこの言葉を使わせてもらいました。純血種は、人間がその容姿や性格、そして飼い易さを追求して作ったのもです。美的追求で生まれたスタンダードの基準が純血統の目安そのものです。私たちブリーダーは、このような基準をもとにうさぎをつくろうと目指します。

しかし、かわいいだけのうさぎをつくるだけではなく、しっかりとしたモラルをもって繁殖するという大きな義務があるのです。それは、そのスタンダードの基準を守りながら遺伝的な病気を排除するという事です。
純血種の繁殖は、純血種同士であればなんでもいいという分けではありません。純血種の形を受け継ぐのに適した種親を選ばなければならないのです。血統書をもっているのに全然スタンダードに合っていないというのは、この種親の選別に問題があるかもしれません。純血種の品評会であるラビットショーとは、うさぎの美しさだけを競うものだと思われがちですが、実は遺伝的な病気の排除にも役だっているのです。例えば、どんなに素晴らしいうさぎでも、不整咬合などの病気や皮膚などに疾患を持っていれば入賞はできません。これは、かなりシビアな基準で、どこかにちょっとおできのようなものが出来ていてもだめなのです。




いいうさぎを作る為には、優秀な種親の選定が大切です。純血種だからといって何でもいいという考えで繁殖すると少しずつ形や色などが変わって来るのです。繁殖の基本的な考え方は、ラインブリーディングというのもで、遺伝的に近いうさぎを目的に合わせて交配させます。このときに一番注意しなくてはならないのが、遺伝的問題の排除です。人工的な種類ですからこの点を最重要視します。近親交配だから弱いうさぎが生まれるのではないかと思うかもしれませんが、似たような遺伝子を持ったラインを何人かのブリーダーが持ち合わせて必要に応じて劣性遺伝が悪さをしないようにコントロールするのです。このようにして生まれたうさぎは、性格・形質・毛色など素晴らしいものになるのです。うさぎの繁殖は、生ませるだけなら簡単ですが、何世代先のうさぎの将来のことを考えて、健康になるように人に馴れるように繁殖する事は、かなり奥が深い事なんです。



あなたは繁殖家(以後ブリーダーといいます。)ってどんな人だと思いますか。きっとうさぎを作ってお金を稼ぐ人だというイメージがあるのではないでしょうか。きっと驚かれると思いますが、アメリカンラビットの世界には、職業ブリーダーは、あまり多くないのです。彼らは純粋にうさぎが好きだからやっているのです。アメリカのトップブリーダーは、医者だったり、主婦だったり、ほとんどが別の職業をもっています。だからといって意識が低いわけではありません。知識や技術は、職業といってもおかしくないくらいのレベルです。最近、日本のブリーダーもこのような立場で活動する人が多くなってきています。見た目にも、性格も、そして遺伝的な病気をもたないうさぎを作ろうと活動しているのです。何年も前、ある人気種に不正咬合が多く出現するということがありましたが、ブリーダーのモラルが高くなれば、このような現象は起こらなかったのではないでしょうか。



よく「純血種は飼いやすいですか」、「いいうさぎですか」という質問を聞きます。いろいろな意味を含んだ質問ですが、簡単に言うと答えは、「純血種は特別ではない」と言う事です。純血種だろうが、ミックス種だろうが、うさぎは人間とフレンドリーな関係を築ける動物であるといえるでしょう。うさぎの習性からトイレが決まる事、リーダーや仲間を作る事などはどのうさぎも共通していると思います。特に大型ミックス種は、日本白色種の交配種であることが多く、これにはニュージーランドホワイトなどの大型のうさぎが混じっているため、性格は穏和であるとも言われています。動物には、その形態などが固定されれば、性格や性質も固定される傾向があります。うさぎの純血種にも当てはまります。それぞれの純血種によって性格、飼育方法などが違うのです。ネザーランドドワーフは、活動的で臆病です。これは、乳児期(生まれて1週間くらいから4週間くらいのミルクを主に摂取する時期)に人間に馴らす事が必要なのです。ここで十分に馴れた子は、臆病なところが少なくなります。

そして、この種類は、トイレのしつけが比較的楽にできるでしょう。ホーランドロップは、一般に人懐こい種類といわれていますが、以外に臆病なところがあるので、ネザーと同様に小さな時期に十分人間に馴らせることが必要なのです。アメリカンファジーロップは、大胆な性格をしている事が多くやんちゃな反面、かわいらしい面も多くあります。ここで、すべての性格や飼育方法を述べる事はできませんが、純血種間には、このような違いがあるのです。これは、初めてうさぎを飼うという方には、自分の家の環境でどんなうさぎがどのように飼えるのかという事の大きな参考になるのではないでしょうか。自分のできる飼育環境を見定めて、しっかりマッチするうさぎを選ぶ、これが一番大切でしょう。




純血種という言葉は、特別なものではありません。動物の繁殖の時に同じ種類同士を掛け合わせるというのはごくごく基本です。しかし、うさぎの場合、これが軽く考えられてしまう傾向があるようです。純血種は弱いと言われる事がありますが、これは、いいかげんな繁殖をされると血が濃くなる結果起こることです。では、ミックス種ではどうかというとやはり同様の結果になります。しっかり管理し責任をもって繁殖する事がとても大切になるのです。管理された繁殖を繰り返すと現在ミックス種といわれるうさぎも、純血種のように形質が固定されてくるはずです。私は、うさぎの純血種の存在を通して動物を繁殖する、飼育するということの義務と責任を訴えていきたいと思います。そして、純血種という言葉が普通のものとなるように、うさぎがペットとして飼育するのに今以上に適するようなればいいと考えています。

うさぎはみんなかわいいけれど、誰かがしっかり責任と義務のもと、うさぎを守らなければいけないと思います。純血種のブリーダーさんには、そんな立場をとってほしいですね。


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